
20年以上前、父親が病気になった時、林俊杉(リンジィンサン)さんは軍を退役し、家族全員で楠西(ナンシー)区に引っ越すことを決めました。最初は従来のやり方に従って、青果店との取引を行っていましたが、それでは収入が足りなくなり、夜は鶏の飼育場でアルバイトをして生活費や子供たちの学費を捻出し、家族を何とか養っていました。それでも生活は苦しく、昼間の果樹園の世話は妻に任せ、その時間にバスを運転し、夜は農作業をしました。妻は当時妊娠8ヶ月でしたが、農作業を続けました。夫婦で困難な時期を乗り越えて、現在はやっと一息ついて生活ができるようになったそうです。
農場の紹介
「棗到了(ザオダオラ)」という名前には、「找到園區(農場を見つけた)(「找到(探し出す)」の発音は「ザオダオ」であり、「棗到」と発音が似ていることから)」と「棗子成熟(「棗」の収穫時期に「到」達した)」の二重の意味がかけられています。農場は総面積約0.7haで、透明なネット室を使用して果樹園を営んでいます。林俊杉さんは薬品の使用を厳格に制限しており、除草剤を使用しません。そのため、ここを訪れた人は果樹から棗を摘み取り、洗った後、その場で食べることができます。果樹の下にはベンチやブランコなどがあり、家族全員が楽しめるフルーツ狩りのテーマパークのようです。
環境保護のため、林俊杉さんは人の手で除草を行っています。農薬の使用を減らすことで、土壌の酸化を防ぐ効果があるといいます。さらに牛乳、鶏卵、粗糠、ヨーグルト、3〜4ヶ月間発酵させた牛乳の肥料を混ぜたものを栄養補助剤として使用し、土壌を改善させて植物をより健康にしました。林俊杉さんは、「品種の選択も大事ですが、それは農業を始めるうえで最初の一歩にすぎません。重要なのはその後の世話です。水やりの量は特に重要で、気温や湿度などによって調整する必要があります。それがうまくいくと、甘くて張りのある「牛乳蜜棗」が育つのです」と言います。
注目的農業ツアー
果物
棗の世話は簡単ではありません。病害虫が多いため、農薬を減らすことは見た目を犠牲にすることを意味します。しかし、「棗到了」が売りにしているのは、サイズやきれいな色ではなく、味です。ここの棗の実は比較的小ぶりで、果皮も滑らかとは言い難く、鮮やかな緑色でもありませんが、毎年多くの顧客がこの棗を求めて農場を訪れます。
果実が成熟する時期は、ちょうど梅嶺の梅の花が満開の季節と同じなので、毎年1月から3月までは、梅の花見と棗の収穫に訪れる客が絶えません。「棗到了─梅嶺棗園休閒採果區」は、この時期特に楠西郷で人気のある観光スポットとなっており、特に棗の、牛乳肥料による甘さや、柔らかさは毎年多くのお客さんから好評を得ています。
現在「棗到了」では、棗の他に、「紅心」と「珍珠」の2種類のグァバも栽培されています。1月から3月までが棗の収穫期であり、2月から3月および10月から11月はグァバの収穫期です。農産物の収穫期以外の時期でも、事前予約をした団体には解説やDIYコースのサービスを提供していますよ。