

フィールド紹介
花東縦谷の台9号線を南下し、關山に向かっていると、広大な稲田の中に、大きな四つの貯蔵倉庫がそびえ立っているのがみえます。そこには「後山皇帝米」と書かれており、これが後山巡米所、またの名を「梓園精米工場」です。1986年に設立された梓園は、精米工場の運営のみならず、広大な農地も所有していたことから伝統的な農法を使い稲作を営んできました。2019年に有機栽培に転換してからは、近隣に住む同志と協力して、有機農業の範囲を拡大するべく自身が行う農法を積極的に推進してきました。その結果、学術界との協力もあり、2020年に有機認証を取得しました。現在、生産地は140ヘクタール以上あり、台湾で最大の有機稻米推進園区となっています。
店内に入ると、まず目に飛び込んでくるのはケーキやスイーツが豊富に並ぶディスプレイと、プロ用のコーヒーマシン、さまざまな種類のドリンクメニューです。もし玄関に「精米工場」という大きな看板がなく、店内で大袋のコメが販売されていなかったら、おそらく「ここはカフェかな?」と思うでしょう。
台湾で販売されている米製品のお菓子は、私が覚えている限りは、ほとんどが伝統的なものだと思います。しかし、「後山巡米所」で販売されているのは、手作りのクッキー、マドレーヌ、ブラウニー、そしてパウンドケーキ、ダックワーズ、クレープなど、さらに種類豊富な米製品です。ここで提供されている体験活動は多岐にわたります。日本の和菓子や、刺繍、農具の製作など、すべて稲米に関連しています。
注目的農業ツアー
米
「後山巡米所」は、独自の絵本を作っており、子供たちに食育(台湾では食農教育と呼ばれる)を行う時に、この絵本を使って、稲の栽培過程、稲の害虫、そして稲から作られる食品などをわかりやすく紹介します。
斗笠をかぶり、精米工場に入ると、超大型の工場設備を見学できます。稲穂が収穫されてからここに運ばれ、脱穀や精米などの工程を経て、最終的に袋詰めされるまでの過程はなかなか興味深いものですよ!さらに奥に進むと、全国最大の有機米推進区である面積140ヘクタール以上の生産地が広がっています。解説員から有機栽培の大変さについて説明を聞いた後、ここで生産されたご飯を味わうと、きっとお米をもっと大切にしたくなるでしょう。